ツールドおきなわ2016

私にとって25回目のツールドおきなわは10位という結果に終わりました。前の方での勝負に絡む展開に入れなかったのは情ないところですが、先頭から離れてしまってからの走りはまずまずのような気もします。『51歳で10位なら悪くないんじゃね?』とも思ったり、でも『歳を理由にするようではおしまいだな』とも思ったり、なかなか複雑な心持ちです。まずは落車の多いレースを無事に走りきれて良かったです。

結果と同様に内容も去年と非常に近いです。あまり詳しくない詳細はのちほど。全体的に去年よりうまく走れたとは思っています。

25回分の結果

ここ三年は三回連続で10位(狙っているわけではありません)。

結果
1992 60くらい(46kmレース)
1993 12(116kmレース)
1994 12
1995 12
1996 9
1997 DNF(落車・パンク)
1998 25
1999 8
2000 12
2001 11
2002 19
2003 8
2004 10
2005 5
2006 4
2007 7
2008 3 武末-高岡-奈良 前二人が逃げ切りで、後ろの集団の頭で三位
2009 31 体調不良+漁港での脚留め
2010 15 絶好調だったがパンク
2011 28 ヘルニアからの復帰
2012 4 失敗ゴールスプリント
2013 24 落車によるメカトラ
2014 10 二度目の登りで遅れて勝負には絡めず
2015 10 安波の登りで遅れて勝負には絡めず
2016 10 安波の登りで遅れて勝負には絡めず

宿出まで

4:30起床。目覚めスッキリ・体調バッチリ。朝ごはんは炊きたてご飯・昨日の ゆし豆腐のとろとろスープの残り・インスタント味噌汁(宍道湖産しじみを追加)・しじみスープ・パイナップル・ヨーグルト。

6:00ちょい前に宿出。毎度の駐車場着は6:30くらい。まだ真っ暗です。

スタートまで

暑くなる予報が出ているのに、朝のうちは かなり寒く感じられてホントに震えました。なぜかお腹の具合がしっくり来ず(下痢というほどではないけど ちょっと緩い感じ)、少々不安に。アップはせずに冷えないように車中で静かにしていました。思い当たるフシは・・・あります。気温の低さと ゆし豆腐のとろとろスープ。

しばらくすると落ち着いてホッ。とりあえず、スタートまでは冷やさないようにお腹にタオルを入れておく。

昨年の50位以内の選手は最前列スタートのシード権があるので、スタート地点へはスタートの10分くらい前に行き、最前方付近に入らせていただきました。まだまだ肌寒さはありますが、お腹は落ち着きました。ほかの不安要素はなし。まずは万全。

機材・ウエア

半端ですが自身のメモとして。

  • ギア 52*39/12-25 10Speed
  • タイヤ Continental GrandPrixTT 25C
  • チューブ SOYOラテックス
  • ウェア SUNVOLT長袖ワンピース 
  • アンダーウェア なし

補給

用意した個数と、【】内が実際に使用した個数です。あまり暑く感じられなかったので、水分は少なめ。脚攣りは兆候も含めてゼロ。うまく対策できました。

(空きボトルやゴミはコース上ではなく、補給所や関門で捨てましょうね!)

  • 水500cc×2【0kcal×1.5=0kcal】
  • オキシドライブ×2【36kcal×1.5=54kcal】
  • ワンセコンドCCD×6【165kcal×6=990kcal】
  • ワンセコンドBCAA×2【14kcal×1=14kcal】
  • 2RUN×1【1.19kcal×1=1.19kcal】
  • 金のメイタン×1【108.8kcal×1=108.8kcal】
  • Mag-onエナジージェル×2【120kcal×2=240kcal】

【合計 1408kcal】

一度目の普久川ダム登りまで

海岸線に出るあたり(リゾネックスの前あたり)から四人の選手が先行していくのが見えました。フリーダム佐藤さんと湾岸ユナイテッドの選手。あと二人は不明。毎年のことでもあるし特に気にすべきメンバーでもないように思えたのでスルーしましたが、今年はメイン集団の動きがちょっと違います。極端にはスピードを落とさずに、先行四人との距離をキープ。むしろ逃げを許さずに捕まえてしまうような雰囲気さえ感じました。

ツールドおきなわの序盤の大集団はとにかく怖い。恐怖以外の何物でもありません。なので、多少は脚を使ってでもローテに入って前々の位置をキープして走る。お陰で序盤20km地点の大落車の影響もゼロ。と言うか、こんな大落車(転んだのが50人とか、一説では80人とか。上位に来る可能性が高い選手も少なからず含まれていたみたい)があったことはゴールするまで知りませんでした。

森本会長(なんの会長かは秘密)の落車はすぐ斜め前だったので、大いに驚きつつもぎりぎり交わしてセーフ。しばらくして戻ってこられたけど、落車の影響がなければいいんですが・・・(結果的にあったみたい)。

逃げていた四人は比較的早めに吸収し(珍しいパターン)、そこからはちょっとだけペースが落ちたものの、強めの向かい風を考えればボチボチと速め。集団のままでトンネルを潜って一度目の普久川ダム登りへ。

一度目の普久川ダム登り

アタックも掛からず、全体に遅い。かなり遅い。有力選手がお見合いしましたかね?集団の真ん中あたりで落ち着いてクリア。私にとって一度目の普久川ダムは、二度目よりもかなりがハードル高いのでありまして、ここを余裕を持って走れたことで気持ち的にもますます前向きになれました。

二度目の普久川ダム登りまで

残った選手は50人とか60人とか、スローペースだった割には多くなくてちょっとびっくり。奥への登りでは数人の有力選手が仕掛ける様子を見えていたので、動きがあったら合流していくつもりで前々に位置。でも本気の攻撃はなしで、速くないペースでクリア。やはりお見合いっぽい感じ。

去年は倉林さんと思わず二人逃げをしてしまった(山岳ポイント前に捕まって、骨折り損の何とやら)西側の海岸線に出てからも、今回は落ち着いて集団内で走る。人数が減ったしスキル的にも信頼できるメンバー濃度が高くなったので、集団内にいても安心安心。

ただ、落ち着きすぎてスピード的にはさほどのものはなし。しびれを切らした?伸成さんが二度目のダム登りて前の平坦から単独先行し、ちょっとの差をつけて二度目の普久川ダム登りへ。動きがあるか?去年に引き続き、ここでは展開なしか?

二度目の普久川ダム登り

登り始めで武井プロが強烈なアタックをするも、誰も反応しない。あまりに強烈なので反応すれば死ぬのは明らかだし、武井プロでもあの勢いで ピークまで行けるはずはないというのはミエミエのミエちゃんなので。『インターバル練習とかしないでよ』ってちょっと前に釘を差しておいたはずなのに、なんでそんな動きをするかなあ(余裕があるからか)。

予想通りに武井プロはすぐに踏みやめて落ちてきて集団は一つ。ちょっと前の伸成さんとの差を少しずつ縮めながら、集団はゆっくり進行。一度目と同じくらいのゆっくり進行。牽制モード?

それが最後にクイッと上がり、集団は一気に縦長に。そしてピーク前で僅かに遅れちゃいました。やばー。

いわっしー・まこっち・雑賀さんと一緒に必死で追いかけ、補給所前で集団の尻尾か見えてきました。ボトルの水は一本半ほど残っていたから(今日は暑さ控えめに感じられ、ほとんど水は飲みませんでした)補給は不要。ボトルを受け取りに行った三人を尻目に、集団に向かって超絶もがき倒しプレイ。長い下りに入る前になんとか合流成功でホッ。危なかった〜(他の面々を使い捨て・発射台にしたみたいで、なんか申し訳なくもあります)

安波の登り

下りでしっかり休んで最初で最大の勝負ドコの安波の登りに備えるつもりでしたが、下りが速い。私の場合で85km/hの最高スピードで下りましたが、全然余裕がない。むしろ遅れ気味。まったく休めない。やばい。

下り切って登り返す直前のわずかな平坦でもカチ上げられ、安波への登り(学校坂?高江の登り?いろんな言い方があるみたい)で一気にスピードアップされて、集団は一気に崩壊。私も着けずにアウツでした。

後にして思えば、この展開は去年とまったく同じ。私の切れ方もまったく同じ(進歩なし)。高岡選手(ほかの有力ドコ)に完全にやられました。予想してもっと早め早めに対応しておくべきでした。大失敗です。

この展開はどうやら完全に定番化しているみたい。来年こそは何か考えないといけないようです。

最後の補給所まで

大ダレしないように登りきり、雑賀さん・水野くん・菅原くんといったあたりを中心とし、その他のメンバーを含めて10人弱の第二集団(?)を形成。行ってしまったのは20人弱か、あるいは15人ほどか。『絶対にパラパラパラと何人も落ちてくるはず。上手く走ればひとケタはいける(かもね)。しっかり走ろうぜー』と声掛けしてナイスペースを維持。声掛けした手前、自分からもしっかり走った(つもり)。

予想通りに前からは多数の選手がパラパラと。佐野くんオバター(ほか)が落ちてきて私たちに合流。森本会長・龍太郎くん・悠馬くんも落ちてきて、私たちの集団にも入れずに消えていきました(会長は落車の影響でしょうね)。優勝候補でもある井上さん(去年の三位)が落ちてきてビックリ。話を聞くと高岡さんと接触して、結果的に単独落車したらしい。気の毒です。

15人ほどの集団になりましたが、この集団が走りにくいことこの上なし。脚が残っている人・残っていない人、この第二集団に入ったことで満足している人・勝負集団からこぼれてイライラしている人、少しでも上位を目指したい人・このままでオッケーの人。意志も脚も揃わず、非常に走りづらいです。『引ける人は引く・引けない人は休んで引けるようになったら引く』というのは原則ではありますが、人数が増えてくるとツキイチ選手も増えてきて、頑張って引くのもバカらしくなってきます。スピードも乗りません。気持ちよく走れない。なんとかせねば。

最後の補給所手前で、まずは菅原くんに『遅すぎるから、登りで踏んで半分以下に減らすから』と声掛け。菅原くんとは一昨年の後半にずーっと二人でラブラブランデブーして、前の7位集団に合流していけました。今日も非常にしっかりとした気持ちのいい走りをしている。私好みの好青年でもある。一緒にいくどー。

ついで、やはり良い走りをしていた雑賀さんにも声掛け。気持ちのいいメンツだけでいっちゃいましょう!

で、最後の補給所の次の登りでスピードアップ。雑賀さんと黒い山岳部ジャージの方(名前は存じ上げませんでしたが、やはり良い走りをされていました)が来てくれて、さらに井上さんが来てくれました。間違いなく集団で最強の選手。これは大きい・

菅原こねー。『次に行くから』って言ったろー。なんだよー!

あとで聞いたら、踏んだ瞬間に脚が攣ったらしい。残念だけど、そこまでの良い走りは絶対に後に生きる!(たぶんね)

今までとは違ったナイススピードで、四人になってゴーゴー。ただ、登りで井上さんがちょっと速すぎる。着いて着けないこともないけど、そのスピードでいったら遠からず崩壊します。井上さんに『一人で行くなら行っちゃって。合わせてくれるならちょっと落として』と、良く言えばコントロール。普通に言えばお願い。悪く言えば懇願。合わせてもらって、 井上さんに多めに引いていただいて気持ちよくゴーゴー。今までとは違って気持ちよく思い切り走れています。四人になってから前から落ちてきたのは武井・新井のフォルツァ!二人(後に消えていきました)。前の人数は正確には不明だけど、10人は絶対にいないはず。(遅れてからの)狙い通りのヒトケタはいけそうです。

羽地ダム

最後の本格上りが始まると、井上さんが脚なりに単独先行。雑賀さんと顔を見合わせて、『ありゃちょっとムリっすね』 。残念ながらスルーで三人で登ります。過激なアタックはなしで、トンネルを過ぎて右折してから細かく揺さぶりを入れてみたものの、簡単には決まらないようなのでヤメ。脚攣り兆候ゼロで最後の登りをクリアできました。ここ数年では久しぶりで、事前の調整・当日の補給がうまくいったみたい。

ゴールまで

すぐ前にいるはずの井上さんに追いつくつもりで、最後の平坦も三人で牽制なしで走りましたが、井上さんはまったく見えてこない(ゴール後に『そりゃそうだ』と知ることになります)。

イオン坂で最初に雑賀さんがアタック→すかさず反応して決まらず→山岳部さんが鋭くカウンターアタック→これにも反応できました。急に踏んでも脚攣りはせず、なかなか。後続集団からは逃げ切りたかったこと(大差があったから結果的に心配はなかった)と、井上さんに追いつきたかったので(大差になっていたので結果的に無理でした)、私からは仕掛けずにゴール前まで強く長く引く方向で走りました。

ゴールスプリント

後続集団からは逃げ切り、井上さんには追いつけずに残り500mで牽制モード。亀の甲より年の功でうまく最後尾に着くことができましたが、なんだかなー。アタマをとっても入賞出来るわけでもないのにハンパな牽制はカッコ悪いし、すぐ後ろに先ほど抜いた別クラスの集団が迫ってきています。牽制をすると飲み込まれ、危ない状況になる気もします。

残り400mから思い切ってロングスプリントを敢行。ここまでの走りからして、これをやっても山岳部さんには勝てる。雑賀さんには着かれて捲くられる可能性は高いとは思いましたが、気合でロングスプリント。残り100mを切っても勢いは意外と落ちず、雑賀さんも横に来ない。これはいけるかも!?

いけませんでした~。やはり400mは遠すぎました。最後の50mを切ってから失速してしまい、雑賀さんに予想通りに捲くられて沈。でも、後味はさっぱりです。

ゴール後

 臼井に『井上さんが二位』と聞いたものの、信じることが出来ませんでした。『何かの間違い。ずっと私たちと一緒だった。私たちのすぐ前のはず』。

ホントでした~。優勝の高岡さんは別として、二位集団は私たちの直前だったみたい。井上さんは最後の最後に単独で追いついていって、一気に前に出て二位。凄い凄すぎる。一緒についていければ私も同じようなポジションまでいけたかも?!と思うとちょっと残念ですが、あの羽地ダム登りにはとても着けない。終盤をずっと一緒に走った者として、私たちの走り方は間違っていなかったということで素直になんか嬉しいです。

ゴール後は雑賀さんとしばらく感想戦。気持ちよく走れました。ありがとうございました!(山岳部さんともお話したかったけど、残念ながら見つけられず。ありがとうございました)

感想

三年連続で三回目の10位は、悔しいようなまずまずのような。安波で遅れた後の走りは悪くなかったとは思いますが、限界まで攻めておらずに余裕がのこているせいでもあるとも言えます。ダメージを最小限に抑えて、その後で落ち穂拾い的にそこそこのポジションまで上げていく走り。職人芸的ではありますが、これでいいかといえばうーん。 もう少し思い切った走りもしてみたいような・・・

ちょっと考えます。

体調・準備・当日の補給・機材などなど、ほとんどすべての面で今回は不安なく最高に近い状態で走れたと思っています。ありがとうございました。今回の経験を生かして、来年はさらに工夫していきたいです。

ゴール後

挨拶まわりをしてちょびっと取材などを受けてから、とりあえずいったん撤収。毎度の近くの農産物直売所に行って、あれこれと買い出し。

再び会場に戻ってふれあいパーティー。昼ごはんを食べつつ挨拶まわりをしてから撤収。宿に戻って自転車の梱包をしてシャワー。自転車の発送手続きをして、時間があったので古宇利島までドライビング。最近なんか人気ですよね?

古宇利島に着いた頃には完全に日が沈んでいましたが、スーパームーン前日のほぼ満月とあって明るいです。古宇利島を一周。建設中の中尾くんのお店がどっかにあるはずなので『奈良参上!』と落書きしたかったけど残念ながらわからず。

宿の近くの、去年に引き続きの沖縄的ファミリーレストランハワイで夕ごはん。ここ数年は、沖縄レース後は静かに過ごすのがパターンで好みです。

宿に戻ってのんびりのびのび。